売値と買値から売買ポジションを立てて決済するだけ
CFDの取引の流れはいたってカンタンです。順を追って見ていきましょう。
・取引するCFD業者を選ぶ
CFDは、まだまだ新しい商品なので、FXのように業者が乱立しているということはありません。その分、選びやすいといえるでしょう。具体的な選別のポイントは、取引銘柄数や取引手数料、スプレッド(買値と売値の差額)、証拠金率(レバレッジ)など。これらを比較して、取引するCFD業者を選びます。
・口座を開設して証拠金を預ける
CFDは、前述したように差金決済取引ですから、口座を開設して取引を開始するには、実際に売買する代金の一部を証拠金(担保)として預け入れる必要があります。具体的には、ロ座開設の申込みをすると、CFD業者の審査があり、それをパスしたら、取引口座が開設されます。その際、IDとパスワードが発行されます。
・売買する金融商品を選ぶ
取引口座を開設できたら、次は売買する商品を選びます。前述したように、CFDは世界のあらゆる金融商品を売買できるので、どれを選べばいいか迷うこともあるでしょう。まずは得意分野で取引をはじめるのも手ですが、 S&P500とeurostocks50がおススメです。
・注文を出して決済する
売買する商品を決めたら、あとは注文して決済するだけ。CFD業者が提供する取引画面には、銘柄名と売値・買値が提示されているので、それらを見て買いか売りのポジションを建て、予想通りに動いたらその時点で決済、反対に予想外の動きをしたら損切りする、といったように取引を行います。あとは、効率よく売買して負けないために、条件注文を駆使すればいいのです。
CFDは損益だけ為替の影響を受ける
取引の大まかな流れについては、ざっと確認していただけたでしょう。ここで、cFDならではの決済時の為替の影響について説明しておきます。 CFDでは、海外市場に上場されている株価指数や個別株、商品先物を取引する場合、現地通貨建てで取引することが多いので、最終的な損益は円に換算してはじめて確定します。このとき、損益部分についてのみ為替の影響を受けることになります。
NYダウ株価指数1枚の売買を例にさらに詳しく説明しましょう。ちなみに証拠金取引では、売買する数量を1枚、2枚 と、数えます。
【例】NYダウ株価指数9000ドル、1ドル=100円の場合
証拠金率は業者によって異なりますが、仮に5%(レバレッジ20倍)とすると、9000ドル×100円×5%=4万5000円 の証拠金を預け入れることで、ダウを1枚買うことができます。 このとき、ダウの上昇および下落分がそのまま損益になり、その損益に為替レートを反映した価格が最終的な儲けか損になるのです。たとえば、ダウが100ドル上昇した場合、1ドルが変わらず100円なら1万円の利益に、1ドル=90円なら9000円の利益になります。
CFDは、この売買差益にだけ為替の影響を受けるという点がポイントです。ここで、株式市場に上場されているダウ工業指数ETFと比較してみましょう。 ダウ工業指数ETFを購入する場合、9000ドル×100ドル=90万円の資金が必要です。ダウが9000ドルから9100ドルに上昇したときの利益は、CFDと同じ100ドルですが、投資資金すべてに対して為替の影響を受けてしまいます。 仮に、円が上がって1ドル=90円で決済した場合、9100ドル×90円=81万9000円となり、円高・ドル安の影響を受けると、損失を被ることもあります。もちろん、円安・ドル高になれば利益は拡大しますが、ダウと為替の両方の値動きを見て、利益確定のタイミングを計るのは至難のワザ。 つまり、現地通貨建ての海外株や株価指数は、cFDのほうがよりシンプルに利益をねらうことができるということです。