すでに何度も書いてきましたが、CFDで鉄則としたいのがトレンドフォローの戦略です。ところが、 いくら口を酸っぱくして言っても、初心者の方はとくにトレンドに反した売買をやってしまいがちであるのも事実です。大きく暴落した後に、自分勝手に「そろそろ底を打っただろう」と、買い下がっていくといった人を見ることは珍しくありません。 こうした自分勝手なトレンド底打ちの判断ほど危険なことはありません。実際にチャートを見てみましょう。
トョタ株の日足チャートです。チャートの水平線は5600円台から4400円台まで下げた下降トレンドの底値に引いたサポートラインです。このサポートラインを引いたあと、株価はもういちどサポートライン近辺まで下げてから一度、反発しています。ちょうどサポートラインで切り返したのを見て、「次は上昇トレンドがくるだろうから買いだ」と思ってしまいませんか?
こうしたとき、往々にして相場はさらに下げ続けて、「売ればよかった」「せめて傍観しておくべきだった」ということになりがちです。日本では「後悔先に立たず」と言いますが、後悔するくらいならトレンドの底打ちを確認するための、 客観的な手法を用意しておきましょう。
判断のむずかしいときは傍観して、トレンドの底打ちが明確に確認できてから、トレンドをフォローしていけばよいのですo相場が天底をつけたとき、「コツン」 と音がするわけではありません。「天井をつけたな」「底を打ったな」というのは、後から相場を傭臓したときに初めてわかるものです。後から相場を見てみると、いかにも簡単に儲けられそうな気がしてきますo天井や
大底が明確に見えるからです。しかし、実際にリアルタイムに進行するマーケットに投げ出されてみると、天底の確認ほどむずかしいことはありません。むずかしいことにあえてチャレンジする必要はないのです。何度も繰り返しているように、私たちの目的はcFDのトレードで利益をあげることであって、「前人未踏の困難に挑み成し遂げること」ではありません。スマートなトレードを目指さなくても、泥臭いトレードで利益をあげていければ、御の字なのです。
スマートなトレードとは、相場の大底で買って天井で売り抜けるような、天底をきれいに見渡せたトレードです。 一方、泥臭いトレードとは、大底をつけてからだいぶ経ってから買い、天井まで利幅をだいぶ余しながら売り抜けるようなトレードです。しかし、儲けるためには泥臭いトレードでも一向に構わないわけです。天底をきれいに予測しようとすれば、それだけリスクも高まります。そうではなく、泥臭いトレードでよいならば、天底を無理に予測しようとせず、トレンドの反転を明確に確認してから参入すればよいのです。
トレンド反転の確認は一見むずかしそうに思えますが、そんなことはありませんo反転するタイミングとレートをピンポイントで予想することはたしかに困難を伴いますが、トレンドが明確に反転したことを確認するのはむずかしくありませんし、トレンドを追いかけるのは明確な底打ちシグナルが出てからでも決して遅くはありません。