CFDは「Contract For Difference」の略称です。日本語では「差金決済取引」と訳されています。したがって、CFDというのは特定のモノをさす商品名というよりは「さまざまな投資対象を差金決済で売買するしくみ」と考えておいたほうがぴったりきます。
差金決済とは、モノの売買をした場合に、その反対売買をした後の最終的な差損益の額だけをやりとりすることです。たとえば現物株の取引の場合には差金決済が認められていませんから、50万円の株を買って52万円で売る場合には、最初に購入する際に、50万円の資金が丸々なければ売買はできません。しかしこれを差金決済で行なうならば、予想される差損益の金額を担保するだけの証拠金を納めておけば、あとは株の売買をした結果としての2万円のやり取りをすればよいことになります。このメリットは、その分、資金効率と回転率がよくなることです。
有価証券などの売買においては、電気製品やクルマの売買とは異なり、実際にモノを使うために受け渡しをするのではなく、売買の結果としての差損益をやりとりすることが目的となっているケースが大半です。ですから、CFDというのは投資やトレードに関しては非常に合理的なしくみだといえます。証拠金を納めて売買を行なうというと、何か思い出しませんか?そうです。FXと同じです。そこでCFDを説明するときに定番となっている言葉が「FXの証券版」というものです。
CFDの商品設計はたしかにFXと近くなっています。FXと同じようなしくみで、商品を取引できるものだと考えておけばよいでしょう…というより、正確にいえば、FXもCFDの一種であり、そのトレード対象が通貨であるもの、といったほうがよいのです。