しかし、3分でひとつの銘柄の分析を終わらせるには、それなりのノウハウも必要となります。私がお薦めしたいのはラインチャートを使った3分チャート分析法です。
ラインチャートは終値だけを結んだ非常にシンプルなチャートです。皆さんがチャートを見るときによく使うのはローソク足ではないでしょうか。ローソク足というのはひとつの足に始値・終値・高値・安値が凝縮されており、情報が非常に豊富かつ見やすくなっている優れたチャートです。しかし、先ほども書いたように、情報量が多いほど人間は戸惑いやすいものでもあるのです。いくらチャートから得られる情報が豊富であっても、処理しきれなければむしろ有害です。目指すのはシンプルなトレンドフォローの戦略ですから、時間をかけずにチャートを分析するために、情報量の限られたラインチャートがうってつけだと
いうわけです。ラインチャートには終値しか表示されていないわけですから、相場がどちらへ向かっているのか、あるいはトレンドレスな状態であるのかは一目瞭然となります。
試しにラインチャートに何本か線を加 えてみましょう。私が加えた線は、際だった高値と高値、安値と安値をとくにむずかしいことは考えず単純につないだだけのシンプルなラインです。どのラインを見ても、右下がりとなっており、いくつかの山と谷をつくってはいますが、総合的に見ると下降トレンドであることが明確になりますから、基本戦略としては「どこで売るか」と売り場を探すことになります。
トレンドの明確なチャートが発見できたら、本格的な分析へと移ることになります。その際には、週足で長いトレンドを把握していたなら、日足、4時間足、l時間足と、自分のトレードスタイルにあわせて周期の短いチャートを次に見ていくことになります。そうやって、ラインチャートを順番に見ていくだけでも、相場のトレンドを把握することができます。
ラインチャートを開いて、何本かラインを引くだけですから、ほんの数分の作業です。皆さんもぜひ試してみてください。