29日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日の海外市場でシリア情勢の緊迫化を背景にした「有事の円買い」が一服し、1ドル=97円台後半に小幅上昇している。午前9時現在、97円73~75銭と前日(午後5時、97円48~50銭)比25銭のドル高・円安。
前日の欧米市場では、欧州時間は97円台前半で推移した後、米国時間にじり高となった。株価が反発したほか、米長期金利も上昇し、シリア情勢の緊迫化を受けた「有事の円買い」は一服。クロス円を中心に円が売り戻される中、ドル円は97円台後半となった。7月の米中古住宅販売仮契約指数は予想より弱かったが、ドル円には響かず。東京市場の早朝は米国時間とほぼ変わらずの97円70銭前後で取引された。
地政学的なリスクが高まると通常は「有事のドル買い」となるが、今回のシリア情勢の緊迫化では、安全資産として円やスイスフランなどが買われた。市場関係者は「前日は内外株価が下落し、リスクオフの延長として円買いが強まったが、やや行き過ぎ感もあり、その調整として円が売り戻された格好だ」(大手邦銀)と指摘している。ドル円は前日比ではプラスになったが、「基本的には調整の範囲内」(FX業者)と受け止められ、基調は底堅いものの、上値を大きく切り上げるには至らないとみられる。
ユーロも対円で小反発、対ドルは小安い。午前9時現在、1ユーロ=130円32~34銭(前日午後5時、130円43~45銭)、対ドルで1.3334~3335ドル(同1.3379~3380ドル)。
ドル小幅高、97円台後半=「有事の円買い」一服〔東京外為〕(29日午前9時) 時事通信
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執筆者:DID