27日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、株価が下げ幅を縮めるのを眺めて1ドル=98円台前半で下げ渋る展開となっている。正午現在は98円31~33銭と前日(午後5時、98円52~52銭)比21銭のドル安・円高。
午前9時すぎに98円20~30銭台で推移していたドル円は、軟調な日経平均株価を眺めポジション調整の動きが強まり一時98円近辺まで下落した。ただ、下値を試すような動きにはならず、仲値にかけては輸入企業の買いに支えられて持ち直した。株価が下げ幅を圧縮し、プラス圏にやや浮上したことも支援要因。
前日発表の7月の米耐久財受注額が落ち込むなど、最近の米経済指標には強弱観が入り交じる。市場では「米国の景気回復は続いているが減速感が出てきた」(外為ストラテジスト)との見方が出ており、「各種景気指標の結果を受け株価が軟調に推移する中、現状は株との連動性が強いドル円を買う環境にはない」(大手FX業者)という。
米経済の先行き不透明感が広がる中、ここに来て混乱する中東情勢がクローズアップされ市場のムードを悪化させている。反政府デモが続くエジプトに加え、内戦中のシリアに米国が介入する可能性が出てきたことで「投資家の間にリスクオフのムードが急速に広がっている」(先のストラテジスト)とされる。ただ、米量的緩和の早期縮小開始の可能性が残る中ではドル売り・円買いにもポジションを傾けにくく、大手信託銀行関係者は「必要最低限の玉調整以外は動くこと自体がリスクになるとのムードが強まっている」と指摘していた。
ユーロは対円、対ドルでほぼ横ばい。正午現在は1ユーロ=131円46~49銭(前日午後5時、131円69~71銭)、対ドルで1.3372~3373ドル(同1.3366~3369ドル)
ドル下げ渋る、98円台前半=株価の下げ幅縮小で
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執筆者:DID