23日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日経平均株価の反発を背景に買いが優勢となり、1ドル=99円絡みに上昇している。正午現在は98円94~98銭と前日(午後5時、98円21~23銭)比73銭のドル高・円安。
午前9時すぎに98円80銭台で推移していたドル円は、仲値にかけては実需筋の買いに支えられ、ジリ高で推移した。その後も強含む日経平均株価を好感して買いが継続し、一時99円10銭まで上昇する場面があった。ただ、目先の直近高値とあって利食い売りが出やすく、99円近辺に小緩んでいる。
9月の米量的緩和の縮小開始観測が強まる中、米株価が軟調に推移し、新興国市場が不安定な動きを見せたため、ドル円相場は円高圧力がかかりやすい環境にあった。しかし、前日の中国製造業PMIの改善をきっかけに、市場のムードが変わりつつあるようだ。市場関係者は「リスク回避志向に覆われていた市場が、米株の反発や新興国通貨の上昇を受け落ち着きを取り戻してきた」(外為ディーラー)と指摘する。本日の日経株価の大幅高も市場心理の好転を促しているという。
また、テクニカル的には、目安となる98円75銭を超えてきたことで、買いが入りやすい地合いになるとみられる。この水準は、日銀による異次元緩和が始まった今年4月以降のドル円の最高値と最安値の中間値に当たるもので、市場からは「来週以降、リスクオンムードの広がりを背景に、99円が定着するかを注視したい」(銀行系証券)との見方が出ていた。
ユーロは対円で上昇、対ドルではほぼ横ばい。正午現在は1ユーロ=132円07~08銭(前日午後5時、131円13~16銭)、対ドルで1.3347~3351ドル(同1.3351~3352ドル)。
ドル上昇、99円絡みで推移=株価反発で買い優勢〔東京外為〕(23日正午) 時事通信
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執筆者:DID