16日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日経平均株価の下げ幅縮小を眺め1ドル=97円台前半で下げ渋っている。正午現在は97円37~38銭と前日(午後5時、97円90~94銭)比53銭のドル安・円高。
午前9時前はドル売り・円買いの地合いで推移していたドル円だったが、東京市場の取引時間帯に入ると、ドル売りの流れは収まり、仲値にかけては実需筋の買いや短期筋の買い戻しが優勢となり、徐々に水準を引き上げた。ただ、お盆休みとあって市場参加者が少ない上、株価を除いては特段の材料がなく、上げ幅は限られた。
市場からは「日中のドル円は軟調な株価を背景に円高バイアスがかかりやすい環境にあるが、97円割れを回避できたことで一方的なドル下落も遠のいた」(銀行系証券)との見方が出ていた。
一方、注目された一連の米経済指標は、週間失業保険申請件数が約6年ぶりの低水準にとなり足元の強い米労働市場の改善を示す結果となった一方、鉱工業生産など製造業関連統計が市場予想を軒並み下回り、全体的に強弱感が入り交じる結果となった。こうした中、量的緩和第3弾(QE3)縮小観測をめぐっては、雇用改善を背景に前日の米長期金利が上昇したことから、市場では9月の縮小開始を予想する向きは根強いようだ。関係者は「製造業のモメンタムはやや弱含む可能性はあるが、継続して雇用が改善している面が大きく、FRBがQE規模縮小時期の材料にするとは考えにくい」(大手外銀)と指摘していた。
ユーロは対円で小幅上昇、対ドルでほぼ横ばい。正午現在は1ユーロ=129円97~99銭(前日午後5時、130円11~19銭)、対ドルで1.3347~3349ドル(同1.3287~1.3295ドル)。
ドル下げ渋る、97円台前半=株価の下げ幅縮小で〔東京外為〕(16日正午)時事通信
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執筆者:DID