ドル99円前半、米雇用統計は目線上昇も「失望」回避か
ロイター 8月2日(金)12時55分配信
[東京 2日 ロイター] – 正午のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べて若干ドル安/円高の99円前半。日経平均株価が堅調に推移するなか、一時99.70円まで上昇したが、7月米雇用統計発表を前にした調整売りに押し戻された。
<米雇用統計前の調整入る>
正午までのドル/円は99円台で取引された。日経平均株価が堅調に推移するなか、輸入企業や短期筋の買いに支えられて、一時7月25日以来の高値となる99.70円まで上昇。その後は、前日からの上げ幅が2円超と急ピッチなことに加え、7月米雇用統計前ということもあり、利食いや調整売りに押し戻された。
7月米雇用統計をめぐっては、足元の米雇用関連指標が堅調なことから、「(数字の)目線がやや上がっている可能性が高い」(大手邦銀)との声もあり、期待が高まり過ぎることを警戒する参加者も出始めている。
もっとも、この関係者は「今回は弱くないことが重要で、よほど悪い数字でない限り、9月テーパリングの話が再び盛り上がるだろう」と予想。「仮に従来予想通りの数字にとどまったとしても、失望と言うより確認という感じとなり、ドル/円はそのままジリジリ上がっていくのではないか」との見方を示した。
ロイター調査では7月の非農業部門雇用者数は前月比18万5000人増、失業率は7.5%が予想されている。
<米長期金利の上昇限定的か>
前日のニューヨーク市場では、米長期金利の上昇もドル/円相場をサポートしたが、市場では「この先の米金利の上昇は限定的だろう」(国内証券)との声が聞かれた。
この関係者は「2015年12月限FF金利先物は多くの米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーが予想する1%を超えてきている。米連邦準備理事会(FRB)もこれ以上の金利上昇を望んでいないはずで、この先上昇に弾みがついてくればけん制してくるだろう」と予想している。
(ロイターニュース 志田義寧)