ドル下落、FOMC声明は緩和縮小時期に言及せず=NY市場
ドル下落、FOMC声明は緩和縮小時期に言及せず=NY市場
[ニューヨーク 31日 ロイター] – 31日終盤のニューヨーク外為市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明が量的金融緩和策の縮小に着手する時期について何ら手がかりを示さなかったことから、ドルが幅広い通貨に対して下落した。
終盤のドル/円は0.3%安の97.74円。 ユーロ/ドルは0.5%高の1.3328ドル。主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.24%安の81.631。
ニューヨークの取引時間帯の序盤には、ドルは予想より強い米経済指標を好感して上昇していた。
朝方発表の第2・四半期の米国内総生産(GDP)速報値は年率換算で1.7%増と予想の1.0%増を上回り、7月のADP全米雇用報告も民間部門雇用者数が20万人増と予想の18万人増を超えた。
しかし午後に入ってFOMC声明が発表されると、ドル売り優勢に転じた。
FOMC声明は、米政府の財政引き締めがなお米経済の足かせとなっているとして、月額850億ドルの資産買い入れの継続を表明。米経済は回復を続けているものの、引き続き下支えが必要とした。
ミラー・タバクのチーフストラテジスト、アンドルー・ウィルキンソン氏は「声明の構成には小さな手直しがあり、全体として見ると、米連邦準備理事会(FRB)は資産買い入れ縮小からわずかに距離を置いたようだ」と分析。「投資家の間に、緩和マネーが供給され続けるとの見方が広がりそうだ」とした。
ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア・マーケットアナリスト、ジョー・マニンボ氏も、FRBが9月から量的金融緩和の縮小に着手する可能性があるという明確なシグナルを出さなかったためにドルが売られたと指摘した。
FOMCを終えたことで、市場の注目は1日に開かれる欧州中央銀行(ECB)理事会とイングランド銀行(英中央銀行、BOE)金融政策委員会に移りそうだ。