相場では一定のパターンは発生しますが、
そのパターンが発生する状況は様々です。
勝ちやすいチャートパターンを覚えれば利益が出せるかというと
そうとも言い切れません。
勝ちやすいチャートパターンが
どの局面で発生したのかという背景を認識することが大切です。
例えば、15分チャートで上昇トレンドを示し、
MA20に沿って押し目をつけながら値を上げているチャートパターンが出現したとします。
このときに、ボリンジャーバンド+2σ上をバンドウォークした後に
ミドルラインまで下落して、そこから反発して
再びボリンジャーバンド+2σをバンドウォークする・・・
なんてチャートを見たらよだれが出てきてしまうかもしれません。
「よし、今度ミドルラインまで押し目をつけたら、買いでエントリーだ。」
このように考えるのも自然なことです。
この時に、1時間足や4時間足が下のような局面だったとしたらどうでしょう?
1.上昇トレンド中で押し目をつけて上昇している局面。
2.下降トレンド中で戻り目をつけている局面。
3.ボリンジャーバンドが収縮してレンジ状態になっている局面。
4.上昇トレンド中ではあるが、すぐ上に強力なレジスタンスがある局面。
5.下降トレンド中ではあるが、強力なサポートにぶつかって反発上昇している局面。
1~5いずれの局面であっても、
15分足では同じような上昇トレンドが確認できると思います。
しかし、3つの局面のうち、15分足で利益を上げることができるのは1の局面のみです。
2の局面は損切りに、
3の局面は損益0、
4と5の局面はうまくやれば利益が残せるかもしれない
という結果になる可能性が高いのではないでしょうか。
このように、ひとつチャートで同じパターンが出現しても、
より長い時間足のチャートの局面が違えば、
その後の展開も変わってきます。
では、どれぐらい上位の(長い)時間足まで確認すればよいのでしょうか?
結論から言いますと、いくら上位の時間足を確認したとしても、
トレードの勝率を劇的に改善することは難しいと思います。
もちろん3割程度だった勝率が5割以上まで改善するかもしれませんが、
その分トレードの機会も激減しますので、
勝率こそ違えども、最終的な損益には大きな差はつかないのではないでしょうか?
1週間未満で決済する短期スイングトレードであれば
トレンドを確認するのは日足チャートまでで十分でしょう。
鉄板のチャートパターンを覚えただけでは勝てません。
上位の時間軸を確認してどんな局面かを理解し、
含み損を抱えたときに
どのような行動をとるかということを決めてからエントリーしましょう。