選好逆転の法則
私たちは、
ものを選択する際に思いがけない選択をしてしまうことある。
たとえば次のケースでは、あなたはどちらのくじ選ぶだろうか?
A 賞金は低い(7千円)が、もらえる確立は80%と高いくじ
B 賞金は比較的高い(7万円)がもらえる確率は10%と低いくじ
多くの人(67%)は、Aのくじを選ぶ
それでは、Aの質問とBの質問に金額を加えてみよう。
このくじを買うとしたら、どちらの方に高い値段をつけますか?
今度は、多くの人(71%)がBのくじに高い値段をつけました。
(たとえば、Aを300円で買えるくじとしたら、Bのくじを3千円で買うと決めた)
この実験は、
オレゴン州立決定研究所の研究者が
実際にお金と人を使って
ラスベガスのカジノで行った一連の実験によって明らかになった。
分かったことは、
くじにつけた購入(見積り)価格は賞金額に高い相関関係があり、
どちらにするかの選択は
勝算の確率に高い相関関係をもつということが判明したのです。
つまり、物事を選ぶ際、
何らかの基準で好みの順序(選好)が決定されるのが当たり前なのに、
この基準が変わると
好みに対する一貫性を保つことができず
好みの順序が突如変わってしまう現象が起きるのです。
これを、「選好の逆転」といいます。
一般的な経済学では
「人の嗜好や好みは一定で変化しない」と捉えていますが
行動経済学では、
「目先の利益に左右され、将来の大きな利益に目がいかない」
ことが起こりうるとし、
このことを「選好の時間的な逆転」
または「時間的非整合性」と呼んでいるのです。
特に、選択肢が多いほど目移りする可能性が高くなります。
魚が大好きで、
普段の昼食はいつも「焼き魚定食」と決めているのに、
「今日のランチメニュー」を見て、
思わず「しょうが焼き定食」を頼んでしまうようなことは良くある話ですよね。