そもそもが無理な話なんですよねぇ。
これって。
原子炉の冷却のために
毎日大量の汚染水が発生するわけですから。
放射性物質が完全に除去できるようになるまでは
まだ時間がかかるようですし,
それまでにタンクの増設が間に合うかどうか気がかりです。
仮に放射性物質を除去する施設が完成したとしても
一日に発生する汚染水400トンに対して
処理能力は500トン。
1日あたりの余力は100トンしかないわけですから,
貯金としては心許ないですね。
何らかのトラブルで除去施設がとまってしまうこともあるでしょうし・・・。
更に言えば,汚染水から放射性物質が完全に除去されたとしても
その水を海に放出するのはどうなんでしょうか?
理論上は安全なのでしょうが,精神的に抵抗を感じます。
先日もフクイチ近くで獲れたアイナメから非常に高い放射性物質が検出されました。
これは,可食部分だけの値ですので,
内臓なども検査をしていたとすればもっと高い数値が出たと考えられます。
いずれにせよ,福島近海の魚と言わず
愛知・静岡以北の太平洋で獲れた魚は口にしないほうがよさそうです。
近くのスーパーではマグロの産地を「太平洋」と表記して販売していました。
このような不誠実な表示をする店での買い物は控えましょう。
以下記事引用(河北新報)
福島第1原発 汚染水「背水」の処理 タンク増設もう限界
東京電力は1日、福島第1原発を報道機関に公開した。
原子炉建屋内の放射能汚染水を取り除いてためる貯蔵エリアが初めてオープンにされた。
汚染水処理は廃炉作業の目下の最大の懸案で、
貯蔵容量の限界が迫る中、タンクの増設でしのぐ背水の処理が続く。
(福島総局・若林雅人)
巨大なタンク群が目の前に現れる。
通称「セントン」。放射能汚染水を1個約1000トン貯蔵している。
1~4号機の建屋内には事故直後に溶けた燃料を冷やした大量の水に加え、
1日約400トンの地下水が流れ込む。
稼働中の淡水化装置では放射性セシウム以外は除去できず、
処理後も完全浄化まで貯蔵を強いられる。
貯蔵量は現時点で26万トンで、
飽和量の約32万トンに迫る。
東電は2014年前半までに約8万トンのタンクを増設し、
敷地を造成して15年度までに計70万トンの容量を確保する計画だ。
タンクは既に敷地を埋め尽くすように並び、
用地に余裕があるようには見えない。
高橋毅所長も「地盤調査の必要があり、
70万トンを現時点で確保できるとは言えない」と認める。
62の放射性物質を除去する多核種除去設備(ALPS)も公開された。
1日約500トンの処理能力があり、
汚染水浄化の切り札と言われる。
12年秋に稼働を始める予定だったが、
廃棄物保管容器の強度不足が判明し、
今も稼働に至っていない。
完成した設備に人影はなく、
荒涼とした雰囲気が漂っていた。
ALPSは処理水がいったん敷地内に保管される。
東電は処理水を最終的に海へ放出する考えだが、
漁業関係者が反発し、最終処理の見通しは立っていない。
地下水の流入は止まらず、
さまざまな濃度の汚染水に姿を変え続ける。
方丈記の冒頭「ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」が頭をよぎる。
◎重装備に全面マスク/収束作業、苦難との闘い
福島第1原発事故の収束作業に当たる作業員3人が1日、
福島県楢葉町のJヴィレッジで報道陣の取材に応じ、
高い放射線量や気象条件と闘いながら続く作業の実態を語った。
「臭いも色もなく、慣れるとだんだん恐怖感がなくなってくる」
3号機のがれき撤去を担う鹿島福島工事事務所工事課長の小林弘茂さん(45)は
放射線対策の難しさを挙げ、
「作業員をいかに被ばくさせない作業計画を立てるかに苦心している」と語った。
3号機は水素爆発して燃料が溶け、
建屋上部の放射線量が毎時500ミリシーベルトと高い。
作業は数百メートル離れた場所から
無人のクレーンなどの重機を遠隔操作して実施している。
「人類の誰も経験したことのない作業に使命感を持ち、
技術を駆使して挑んでいる。
何とか役に立ちたい思いで作業していることを分かってほしい」と涙ぐんで訴えた。
日立GEニュークリア・エナジーの現場事務所長河合秀郎さん(58)は
4号機からの燃料取り出しのため建屋をカバーで覆う工事に当たる。
「重装備に全面マスク。15分で汗だくになり、
下手すれば倒れる」と夏の熱中症対策が課題と話す。
4号機は建屋上部のがれき撤
去が進む。
「事故直後は命の危険を感じた場面もあったが、
1週間後には復旧の道筋が見えてきた」と言う。
下請けの播州基礎興業(兵庫県姫路市)の名里之宏さん(52)は
海への汚染水流出を防ぐ遮水壁の設置作業を担当している。
「こっちの環境に不慣れで、凍った現場で足を滑らせている」
と冬場の作業の難しさを明かした。