スイングトレードでは,どんな場面で両建てを行うべきか?
1NZドル=60円のときに,買いで1万通貨のポジションを持ったとします。
この後,1NZドル=50円まで下落したとしましょう。
しかし,1NZドル=55円まで下落したところで売りで1万通貨のポジションを持っておくと,
たとえ1NZドル=50円まで下落したとしても,含み損は5万円ですみます。
つまりこういうことです。
買いポジションの含み損=10万円 売りポジションの含み益=5万円
差し引き,5万円の含み損となります。
実際は買いポジションと売りポジションのスワップ金利の差が1日あたり数円発生します。
くりっく365ですと
買いポジションと売りポジションのスワップ金利差がありませんので,考慮する必要はありませんが,それ以外の業者だと,マイナス金利のほうが若干大きく設定されていますので,1万通貨あたり1日数円マイナスになることになります。(今日のNZドル円だと1日-8円のマイナス)
このような金利負担はありますが,円高が進行しても含み損が増えないメリットを考えると,両建ての効果は大きいと言えましょう。
上の例では,5万円を含み損の上限として設定しましたが,
買いポジションと売りポジションの価格差を自分で設定すれば,含み損の上限を1万円とすることもできますし,自分の裁量でリスク管理ができるようになります。
ここで大事なことは,売りポジションは利益を出すためのものではないということです。
あくまでもリスクヘッジとしてのポジションだということを忘れてはいけません。
つまり,売りポジションを建てた後に円高が進み,売りポジションの含み益が増えてきたとしても,利食いをしてはいけないということです。
リスクヘッジとして建てた売りポジションを決済してしまうと,残るのは,買いポジションの含み損です。
両建て状態解消後に更に円高が進んだら,そこから更に含み損が膨らんでしまうということになってしまいます。
例
①1NZドル=60円でエントリー
②1NZドル=55円で売りポジションを両建て・・・含み損-5万円
③1NZドル=50円まで円高が進んだ時点で売りポジションを決済 利益確定+5万円
※③の時点で買いポジションの含み損は-10万円になっていますが,売りポジションを利益確定したことで,+5万円を得ることができたため,この時点での実際の損益は-5万円ということになります。
④更に円高が進み1NZドル=45円になると・・・③の時点での含み損-5万円と新たに膨らんだ含み損で実質-10万円の含み損となっています。(帳簿上は-15万円の含み損)結果的に含み損が増えてしまいました。
リスクヘッジで建てた売りポジションは,建値で決済するか,損切りとして買いポジションと一緒に決済するのがよいでしょう。
上の例で③の時点で
買いポジションと売りポジションを両方とも決済しておけば,1NZドル=45円まで下落しても,損失は-5万円で確定していますので,新たに含み損が膨らむことはありません。
更に言えば,③で
買いポジションと売りポジションのどちらも決済しなければ,例え円高が進んでも含み損は-5万円で変わらないので,③で両建てポジションを決済するメリットはあまり無いと行くことができるでしょう。
逆に,円高に耐えることができれば,円安に転換する場面も想定できるわけで,含み損を小さくし,ひいては損失無しで決済することもできるかもしれません。
このように,両建ては,円高に耐えるための戦略だと捉えることが重要です。
あくまでも利益は買いポジションで出すというスタンスでいるとよいでしょう。
SECRET: 0
PASS:
貴重なご意見を頂きありがとうございます。