欧米市場の情勢
【米国市況】ダウ7%安、景気の先行きと新型コロナ第2波に懸念
11日の米株式相場は大幅安。経済の先行きを巡る不安からS&P500種株価指数はここ12週間で最大の下げとなり、最近の猛烈な株高に急ブレーキがかかった。リスク回避の流れから米国債は長期債が大幅続伸。
- 米国株は急落、ダウ平均7%安-旅行関連中心に売り
- 米国債は長期債が大幅続伸、10年債利回り0.67%に低下
- ドルが急伸-対円では106円台後半に下落
- NY原油は反落、4月下旬以来の大幅安
- NY金は反発、FOMCの方針や新型コロナ第2波懸念で
S&P500種の下落率は6%近くと、売買を一時停止させるサーキットブレーカーの発動水準(7%下落)に迫った。ダウ工業株30種平均はさらに下げがきつかった。ここ数週間で大きく値上がりしていた航空株やクルーズ株、旅行関連銘柄がこの日は売り込まれた。金融大手で構成するKBW銀行株指数は9%安で終了。原油安を背景にエネルギー銘柄も下落した。
S&P500種は前日比5.9%安の3002.10。ダウ平均は1861.82ドル(6.9%)安の25128.17ドル。ナスダック総合指数は5.3%低下。ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.67%。
この日の売りは最近の相場上昇ペースの速さによる反動が大きいものの、米国の一部の州で新型コロナウイルス感染第2波の兆候が増えていることが市場心理を圧迫した。米新規失業保険申請件数はわずかな減少にとどまり、コロナ禍が長期にわたることを浮き彫りにした。一方でムニューシン米財務長官は、第2波が起きたとしても米経済を再び閉鎖するべきではないとの見方を示した。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのソリタ・マルチェリ氏は「今回の相場上昇に関しては底入れ後の回復がとにかく衝撃的だった。今後2、3週間で多少の調整が入るかもしれない」と指摘した。
為替市場ではドルと逃避先通貨が高い。米国株が3月以来の大幅安となったのが背景。米国における新型コロナウイルス感染第2波の兆候をはじめ、依然高い水準にある米失業保険申請件数、追加刺激策に関する協議の延期をトランプ政権と共和党が計画中だとの報道が材料視された。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は1.2%上昇。4月15日以来の大幅高となった。ドルは対円では下げて0.2%安の1ドル=106円87銭。
ニューヨーク原油先物相場は急落、4月27日以来最大の下げとなった。前日発表された米原油在庫の増加が引き続き材料視されたほか、景気懸念から米国株が大きく値下がりしたことが手掛かり。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物7月限は3.26ドル(8.2%)安の1バレル=36.34ドル。ロンドンICEの北海ブレント8月限は3.18ドル安い38.55ドル。
ニューヨーク金先物相場は反発。米連邦公開市場委員会(FOMC)が長期にわたり低金利を維持する姿勢を示したほか、米国の一部で新型コロナ感染の第2波が起きつつある状況が意識された。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は1.1%高の1オンス=1739.80ドルで終了。
出典 https://www.bloomberg.co.jp/
S&P500のトレード結果(6/11)
終値 | 始値 | 高値 | 安値 |
---|---|---|---|
3,002.10 | 3,123.53 | 3,123.53 | 2,999.49 |
DAX30の4%下落に引きずられ、S&P500も爆下げ
3月以来の大商い
DAX30による目線判断(6/12)
C=当日終値 H=当日高値 L=当日安値
bH=前日高値 bC=前日安値
- ルール1 buy=H-bH>+50 sell=L-bL<-50
- ルール2 buy=C-bC>+50 sell=C-bC<-50
- ルール3 buy=C-O>+50 sell=C-O<-50
- ルール4 buy=C-bH>+50 sell=C-bH<-50
赤実線…前日高値 赤破線…買い目線ライン
青実線…前日安値 青破線…売り目線ライン
終値 | 始値 | 高値 | 安値 |
---|---|---|---|
11,970.29 | 12,223.42 | 12,301.95 | 11,970.29 |
買い目線判断ラインは12351
売り目線判断ラインは11920
S&P500が史上4番目の大暴落。日経平均も連れ安。この流れが欧州市場にも影響するか?株安の流れ2週目突入!