サブプライムローン問題が表面化するまで、過剰なバブル相場を形成していました。中国株の高騰をうけて、日本でも多くの中国株投資信託が設定されたのは、皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか?中国株バブルは、しかし、あっけなく崩壊しました。上海総合指数は2007年につけた6000ポイント台の高値から1年ほどで2000ポイントへと急落しています。中国株フアンドを持っている方は多いでしょうが、上手く売り抜けられた人はきつとごく一部でしょう。少なからぬ方が大切な資産を毀損させてしまったのではないでしょうか。これはある意味当然です。フアンドを設定する側の立場に立って考えてみてください。投資家の資金を多く集めれば、ファンドの管理者や販売者たちには多くの手数料が集まります。となると、自然と彼らのゴールは、「投資家に勝たせること」よりも、「多くの投資家の資金を集めること」へと向かいがちとなります。多くの投資家の関心を集めて、資金を集めるためには、どうすればよいでしょうか。盛り上がっていない市場に対してファンドを設定したところで、投資家の興味をひくことは容易ではありません。それよりは、盛り上がっている市場、バブルを形成するほどに過熱した金融市場をターゲットにしたファンドを設定すれば、メディアの格好のネタにもなり、投資家の関心も得られやすいはずです。典型がバブル崩壊前の中国株です。
ということは、それほど投資に関心のない一般の人々が「中国株が盛り上がっているらしいな。ひとつ、投資してみるか」と思うころには、市場の過熱は明らかで、新たに参入する彼らの資金で消える間際のローソクのように最後のきらめきを見せることはあっても、いずれ炎が消えることは明確です。 一般人が投資するころには、やがて必ず訪れるカタストロフィーを目前にしているということになります。こうした例は枚挙にいとまがありません。ライブドアショックが起きる前の日本の新興株ブームしかり、サブプライムローン問題で円高が急進するまでのFXによる円キャリートレードによるスワップ狙い(円安バブル)しかり、極論すれば、投資に対して受動的な姿勢でいる限り、私たちは「高値づかみ」を宿命づけられているともいえるのです)。
ここから私たちはどんな教訓を得るべきでしょうか。メディアで騒がれたり、ファンドの設定が相次ぐようであれば、その投資対象はピークアウトしたか、あるいはピークアウトが近いということです。世間の情報に惑わされず、自分の目でトレンドを確かめながら、リスクを減じて、着実にリターンをあげていく、その術を学ばないといけないということです。