CFDとは「さまざまな投資対象を差金決済で売買するしくみ」です。それを可能にしているのが証拠金取引であるということです。身近なところではFXや日経225先物なども証拠金取引ですが、証拠金取引とはどのようなものなのでしょうか。
言葉から考えると、投資家が証拠金を預け入れておこなう取引です。これだけではまだわからないと思います。具体的な取引で考えてみましょう。売買単位が100株のソニー株が株価2000円のとき、これを売買しようとすれば、最低でも2000円×100株で20万円が必要になります。ところが、証拠金取引であるCFDであれば、これを売買するのに必要なものは一定の証拠金だけでいいということになります。たとえば、レバレッジ10倍であれば、ソニーの場合は20万円の10%、すなわち2万円で済みます。
証拠金取引と現物取引ではどのように違うのでしょうか。たとえば、ロ座に証拠金として50万円入金していて、株価が2000円のときにソニー株を100株買うと、取引に必要な証拠金がロ座の「投資可能余力」から差し引かれます。ソニー株100株分の購入に必要な証拠金が2万円だとすれば、今後、取引に使える金額は48万円になります。
このソニー株cFDを2500円のときに売ったとしましょう。必要証拠金としてロックアップされていた2万円は解除され、利益として500円×100株=5万円がロ座に反映されることになります。
一方、現物取引では最初に株を買うに際して20万円が必要となり、保有中は他の取引に当てることもできませんから、取引に使えるのは残りの30万円ということになります(手数料等は考慮せず)。結果的に5万円の利益となるのは同じであっても、証拠金取引の場合は必要な資金がより少額で済み、余った資金を他の取引に向けることができるため、資金を効率よく回すことができるのです。これが証拠金取引の大きな魅力です。