受動的な態度を捨てて、積極的に学ぼうとすると、私たちを戸惑わせる敵が現れてきます。マーケットのプロを自称する専門家たちです。
インターネットの世界を覗いてみると、驚くほどたくさんのマーケット解説記事があります。とくにCFDは投資対象が多岐にわたるだけに、それぞれのマーケットの解説記事を読もうとすると、かなりのボリュームとなってしまいます。彼らはしたり顔でマーケットの値動きに対して、後付けの講釈を付け加えます。さも以前から自分は値動きを予測していたかのごとく、自ら手柄ばかりを書き立てる方もいます。
しかし、将来の予測となると、とたんに彼らのトーンは弱まります。「今夜の〇〇〇次第」「〇〇〇といったリスクも見受けられるが、×××の可能性もあるので注意も必要かもしれない」。これでは、 一体何を言いたいのか、さっぱりわかりません。結局のところ、彼らは後付け講釈・評論しかできないのではないか、と疑われてしまいます。風見鶏と言われても仕方がありません。
風見鶏たちは次の4点に特徴づけられます。
・専門領域は後付け講釈
・値動きの予想は極力広めのレンジ
・「〇〇次第」で肝心の点はぼかす
・都合のよいファンダメンタルズだけを引用する
ひと言でまとめてしまえば、「風見鶏たちの意見など無視するに限る」ということに尽きます。大半の専門家らはマーケットにあわせて、発言・見通しがガラリと変わります。ある意味では、職業病とも受け止められます。
CFDで勝ちたいと思うならば、彼ら風見鶏の意見に耳を貸しているヒマはありません。筋が通った本物の情報に限定したほうが効率的でしょう。こうした情報の取捨選択はニュースに対しても同様です。ロイターやブルームバーグなど通信社からは、毎日大量のニュースが配信されます。人間というものは、インプットされる情報量が増えれば増えるほどに、判断力は低下していきます。それはそうでしょう。「Aという情報は値上がり材料となるが、材料Bは値下がりを示唆している。さらに材料cは来週末に控えた競合他社の決算発表が重要だと分析されている。 おつと、Dでは経済閣僚のネガティブなコメントが引用されている…」 。これでは経済通にはなれても、結局のところ、どんなトレードをすればよいのか、何のヒントにもなりません。
日々配信される莫大なニュースのなかで、本当に必要だと思う情報は1日数本でしかありません。そのごくわずかな情報にしても、トレードに直接役立つとは限りません。そのためにニュースチェックに膨大な時間を費やすのは効率的だとは思えません。
プロを自称する風見鶏たちは何の役にも立たないニュースを引用して後付け講釈の理論補強に使いますが、本物のプロであれば必要なニュースだけを紹介してくれるはずです。そうであれば、本物のプロに必要な情報の取捨選択を任せてしまうというのが、個人投資家にとって得策ではないでしょうか。