マーケットはさまざまに変化します。その変化に対して上手く立ち回るための基本的なツールとして、移動平均線があります。
移動平均線は過去の平均レートを1本の線で結んだだけの非常にシンプルなものです。20日移動平均線であれば、過去20日の平均レートをチャート上にプロットし、翌日、翌々日も同様にプロットして結ぶだけですから、理解するのはそうむずかしくないでしょう。移動平均線は過去の平均ですから、移動平均線よりも現在のレートが上にあれば割高、下にあれば割安ということになります。上級者であればあるほど移動平均線を軽視しがちですが、非常に重要です。
ちょっと慣れてくると、移動平均線を見るときに「日経平均では〇日が最適だ」とか「ダウだったら×日にすると効果的」といった細かいことに目が向いてしまいがち移動平均線を効果的に使う。
短期・中期・長期の3本の移動平均線の向きがそろっているときはトレンドが明確です。些事は放っておいて構わないのに、なぜ時間を費やすのだろうと思うばかりです。私たちが移動平均線に求めるべきは、正確さではなく、大ざっぱであっても市場の方向性を教えてくれるということです。ですから、移動平均線のパラメータをどうするかといったことに頭を悩ませるより、短
期・中期・長期の3本程度を、たとえば20日・50日・100日といったように引いておけば充分でしょう。 この3本を引いておくことで、私たちが基本戦術とするトレンドフォローを実行することができます。3本の線がきれいにそろって上向きであれば、明確に上昇トレンドです。3本の線がきれいにそろって下向きであれば、明確に下降トレンドです。上昇トレンドのときに、レー
トに近いほうから、短期、中期、長期と移動平均線が配置されていると、理想的な上昇トレンドということになります。
上昇トレンドであれば、トレードの方向性としては買い場を探すことを念頭におくべきですし、下降トレンドであれば逆に売り場を探すべきです。
一方、3本の線が交差を繰り返して入り乱れているようなら、相場はトレンドレスな状態です。