CFDは、株式投資や信用取引をしている人にとっても、さまざまなメリットがあります。株トレーダーがcFDをはじめるにあたっては、具体的には次のようなメリットがあります。同時に、デメリットもあるので、それらも確認しておいてください。
●現物株をレバレッジ最大20倍で取引できる メリット①
これまでに株式投資をしたことがある人にとって、cFDは非常に入りやすい投資対象であるといえます。なぜかというと、現物株そのものをcFDで取引することができるからです。「ややこしい“それなら現物株を取引すればいいじゃないか」 と思う方もいるでしょうが、それに勝るメリットがCFDにはあります。CFDはFXと同様に売りから入ることができます。 「売りなら、株の信用取引でもできる」そのとおりです。でも、株式信用取引のレバレッジは最大でも約3・3倍。一方、CFDの日本株のレバレッジは取引業者や銘柄によっても異なりますが、最大20倍。レバレッジに対する規制は今後、FXだけでなくCFDにも及ぶようですが、しばらくは大きなレバレッジで取引をすることができるでしょう。資金効率を考えれば、株の現物や信用取引よりダンゼン有利といえるのです。
●「空売り規制」 が適用されない メリツト②
CFDにはもう1つ、株の信用取引よりも有利な点があります。その鍵を握るのが、いわゆる「空売り規制」 です。信用取引では、売買単位の50倍を超える注文の場合、直近の価格以下での空売りが禁止されています。たとえば順張りで空売りをする場合、株価が過去の高値ラインを超えられずに下落トレンドに転換したのを確認してから売り注文を出しますが、空売り規制下では現在表示価格を超える価格でしか空売りすることができません。今より下がると思うから空売りするのに、今以上の値段でないと空売りできない、これは大きな矛盾です(50売買単位以下の取引には、このルールは適用されません)。その点、CFDは空売り規制の対象外なので、売買する量に関係なく、いつでも自在に売り注文を出すことができます。ここぞというチャンスに大きな売り注文を出せるのは、CFDならではのメリットといえるでしょう。
●同一日に同一銘柄を無限に回転売買できる メリツト③
株の現物取引では、差金決済に該当する取引が禁止されているため、同一日に売買した銘柄の売却代金で、同一銘柄を買うことはできません。たとえば、A株のデイトレードで使用したお金で、同じ日にA株を買うことはできないというわけです。一方、CFDなら同一日の同一銘柄でも、その売買で得た差益を使って、無限に回転売買することができます。このメリットを利用すれば、日本株でも数分単位で売買を繰り返すスキャルピングトレードが可能になります。CFDなら株式分割やM&Aの発表などで相場がお祭り騒ぎになったときに、積極的に利益をねらうことができるのです。
●逆日歩がつかないー メリツト④
信用取引の空売りではときどき、売りが殺到して株不足になり、株を借りるための品貸し料の「逆日歩」 という費用が発生することがあります。仕手株などの影響によって相場が過熱すると、市場が株不足になり、品貸し料が高騰。1株200円程度の銘柄に、1日15円ほどの逆日歩が発生することもあります。空売りしている株数が多ければ、結構なコスト負担になるので注意が必要です。CFDは現物の受け渡しはせずに、売買差益だけをやり取りする「差金決済取引」なので、逆日歩という考え方自体が存在しません。ただし、株式CFDや株価指数CFDでは日をまたいで買い持ちした場合、1営業日ごとに金利の支払いが発生するので、注意が必要です。
●国内株の取扱銘柄数が少ない デメリツト①
ここからは、株トレーダーが感じるであろう、CFDのデメリットについてお伝えします。まずは、国内株式の取扱銘柄数が少ないということ。国内株式に限っていえば、投資対象が限られるというデメリットがあります。かつて新興株をメインに取引していた私としては、ぜひジャスダックやマザーズの株も取り扱ってほしいのですが、流動性の問題からか、実現はまだ難しいようです。
●取引手数料が高い デメリツト②
次のデメリットは、取引手数料が高いということ。海外株を含め、個別銘柄以外は手数料0円とするCFD業社が多いようですが、現物株だけはどこの会社でも取引手数料が発生します。ネット証券の売買手数料が非常に安くなっていることを考えると、割高感をぬぐえません。CFDは、単元株数に関係なく1株から購入できるので、取引株数が少ないと、随分割高な手数料を支払うことになるので注意が必要です。