「損切りは資金の5%以内で」と簡単に書いてきましたが、「言うは易く行なうは難し」です。 現物株の取引をしているあなたがチャートを見て、損切りのポイント、利食いのポイントが明確に見えていたとします。しかし、その喜最低取引単位のトレードでも、 損切りしたときの金額を計算してみると7%であったとしましょうoしかし、損切りにかかる可能性は薄そうで、判断にはかなり自信があるとしますoあなたならトレードするでしょうか。5%までというルールを破って、損切りにかかった場合7%の損失を被ってしまうこのトレードを、かなりの方が行なってしまうのではないでしょうかoトレードの誘惑にはかなり強力なものがあります。
しかし、私ならば絶対に行なわないでしよう。こうした誘惑に勝てるかどうかが、相場を生き残るうえでの大きなポイントとなります。100万円の資金で7%の損切りにかかってしまったとすると、残りは93万円になってしまいます。トレードではせいぜい勝率5割がいいところですから、7%の損切りに続いて、5%の損切りにかかってしまうことは充分に考えられます。
長くトレードを続けていると、理屈では説明できない調子の波のようなものがありますし、また勝負を賭けてルールを破った戦いに敗れた直後となると、冷静さを失い、いつもなら下せるはずの論理的な判断ができなくなり、勝率が普段より下がる可能性もありますoそう考えると3連敗する可能性は少なくありません。そうなると資金はみるみる減少していきます。先ほども書いたように、資金の20%近く失ってしまうと、元に戻すためには25%もの高い収益率が必要です。弱気になることを推奨するわけではありませんが、3連敗、4連敗することを想定したうえでトレードに臨む必要があります。連敗したとき、ダメージを最低限に食い止めるためにも、 一度決めたルールは徹底的に遵守する必要があります。そこに例外はありません。
厳しいようですが、CFDというレバレッジを効かせることができるトレードでは、ちょっとした心の甘えが大ケガにつながってしまいます。CFDはレバレッジという強力な仕組みを備えた商品だからこそ、その力強さが逆向きに働かないよう、強く自分を戒める必要があるのです。
一見、無謀なほど派手な取引を行なっているトレーダーであっても、実は派手さの裏には、綿密な資金管理があったりします。逆に考えると、資金管理さえ徹底していれば、多少、無謀な取引を行なっても大ケガをすることはありません。マネーマネジメントのルールづくりと、それを遵守するメンタルの強さは、優れたトレーダーが必ず備えている資質なのです。