トレードをすでに始めている方のなかには、なかなか思うような成果があがらず苦戦している人も多いのではないかと思います。どうしたら失敗続きのトレードを好転させられるのか、そう悩んでいる方は少なくないことでしょう。
トレードの失敗にはふたつのタイプがあります。「アマチュアの失敗」と「プロの失敗」です。 アマチュアの失敗から説明していきましょう。ひとことで言えば、「損切りの甘さ」
ということに尽きますo損切りとは、当初ェントリーする際に描いていたシナリオとは逆の方向へ行った際のあきらめです。トレンドが上だと思って買っていったが、下げてしまったoそんなときは、どこかの時点で自ら潔く敗北を認めなければなりません。
「いつか戻るのでは」という根拠のない期待は禁物です。CFDトレードで勝つための最大のカギを握るのは、リスクのコントロールだといっても過言ではないからです。言い換えれば「CFDトレードで生き残り、継続的に利益をあげていくための真実は、いかにリスク管理できるかにある」ということです。もし、リスク管理を怠り、「思った方向へと相場は戻るのでは」と根拠のない期待をもったまま、損失を無尽蔵にふくらませてしまえば、いつか必ず大きな打撃を食らいます。ひとつの敗北がそれまでの成果をすべて水泡へと帰させてしまうのです。具体的な数字で考えてみましょう。100万円の資金でトレードしていたものの、損切りしなかったばかりに40万円の損失を出してしまったとします。率にして40%の損失です。もとの100万円に戻すには、どのくらいの収益率が必要になるでしょう。60万円を100万円にしないといけないのですから、66・7%のリターンが必要ということになります。仮に50%の損失ならば、100%のリターンが必要となり、2倍にしないと元の100万円まで戻せません。これはプロであっても非常にむずかしい、高い高い目標です。
たしかに、相場を見ていると、ここで損切りしていなければ、後に利益がでていたということは頻繁にあります。10回、損切りしたとすれば、そのうちの8割程度は結果的に利益を出せるポイントがあるのではないでしょうか。そうすると、つい損切りを躊躇してしまいたくなる気持ちはわからなくもありません。しかし、残りの2割で被る損失は甚大です。損切りを怠ることによる打撃は、損切りをしないで得られる利益よりもはるかに大きいのです。
元為替ディーラーの方の著書に『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』というタイトルがあります。この言葉はトレードの真実のある側面を物語っています。CFDに限らず、トレードの成果とは利益額に他なりません。勝率など関係ないのです。極端な例ではありますが、1勝9敗であっても、損切りを徹底することにより9敗の損失を極小化し、1勝の利益を最大化すれば、勝率はたったの1割であっても利益を出すことができるのです。おかしな自尊心からなのか、トレーダーのなかには、自らの勝率を誇示する人が少なくありません。曰く「自分は過去l年間負けなしだ」「これまで勝率が9割を切ったことはない」「自分はいま、100連勝中だ」そんな自慢にどんな意味があるのでしょうか。トレードの成果として自慢しうるのは、どれだけの利益をあげたかという一点しかありません。1円2円の利益だけで利食いを重ねていけば、勝率をあげることは誰にだってできます。トレードにおいて勝率に意味はありません。意味があるのは勝率ではなく、利益額です。
負けを恐れる必要はありません。恐れるべきは負けではなく、損切りを怠ることによる大敗北です。損切りを怠る人にトレードへ参戦する資格はありません。損切りを騰踏なく断行できる人のみがCFDという利便性に長けた金融商品をトレードする資格があるのです。損切りの甘さをアマチュアの失敗と私が呼ぶのはそのためです。損切りを断行できる実行力は、トレードに参加するための最低条件なのです。CFDというレバレッジ商品では、リスク管理が最大のポイントになりますから、トレードする際には必ず損切りするよう心がけてください。損切りなきCFDトレードはギャンブルでしかありません。