新コロショックの始まり
新型コロナウィルスの感染拡大に端を発した株価指数の暴落(略して”新コロショック”)がとまらない。
そもそも今回の株価暴落はいつから始まったのかということを確認してみると、2020年1月24日から今回の暴落が始まっているのではないかとみることができる。このはS&P500が-51pips、ユールストックス50が-101pipsの下落を見せた日でもある。その後乱高下を繰り返しながらも、先日の10%近い大幅下落に至っている。
新コロショックはどれくらい続くのか
今回の経済危機がどれぐらい続くのかは神のみぞ知るところかもしれないが、2008年のリーマンショックを振り返ってみると、3~4か月で収束しているので、今回のショックも大体これぐらいの期間で落ち着いてくるのだと思っている。
ちなみにリーマンショックは2008年9月中旬から始まったその後の株価指数トレードはS&P500の売りトレードにおいて、9~11月にかけて200pips以上の利益をたたき出している。それまでは1か月あたり2ケタ台の利益にとどまっていたことを考えると、この3か月間は明らかに通常とは違うセンチメントになっていたことがわかる。やがて12月になるとS&P500の売りトレードの利益がマイナスに転じ、翌2009年の1月からは再び2ケタ台の利益に戻っている。
新コロをショックは経済政策で解決できるか
問題は、今回純粋な経済危機にとどまらないということ。リーマンショックの時は破綻しかけた金融機関に公的資金を注入して救済したり(フレディマックやファニーメイ)、毅然とした対応で取り潰したり(リーマンブラザーズ)することによって、痛みを伴いながらも危機から抜け出すことができた。しかし、今回は新型のウィルスが原因であるがために、各国中央銀行の施策でどうにかなるものではないという点にある。いくら大規模な金融緩和をしたところで、危機の大本である新コロは無くなることはないのだ。新コロというリスク要因を排除するには、治療薬とワクチンの開発しかない。
新コロ同様コロナウィルスを原因とする世界的感染拡大が起こったSARDSとMARDSは、感染収束はしたものの、今もって確定的な治療方法が確立されていないという状況ふぁ。つまり、対所領補法を施しながら様子を見て患者本人の回復力に期待するしかないということ。新コロもそだとすれば、前の2つよりも感染力が強いために収束するまでには時間を要するのかもしれない。
結局新コロ終息の判断は?
結局のところ、新コロが終息したかどうかということは、株価指数トレードの悔過で判断するしかないということ。S&P500の株価指数トレードは2月が129pips、3月は225pipsの利益を上げている。この数値が2ケタ台に落ち着いた時が今回の新コロショックの一応の終息とみられると思う。
ちなみに2020年1月のS&P500売りトレードは31pipsの利益、2019年12月は-36pipsであった。今回レベルのボラティリティになったのは2018年の2月のVIXショックの352pipsまで遡る。この年は10月にも大幅下落が起こっており、株式市場が混乱した年でもある。さらにその前まで遡ると2015年8月の278pipsという記録が残っている。
暴落は結構起こる?
過去の歴史をさかのぼってみると1か月単位の暴落は3年に1回ぐらいのペースで起こっていることがわかる。リーマンショックが特別視されるのは下落基調が3~4か月も続いた特異性にある。今回の暴落は2か月目に突入している。あと2か月以内に収束するのかどうかがリーマン級か、それを上回るショックなのかを判断するポイントになるだろう。奇しくもそれは5月下旬となる。そう、東京五輪が開催されるかどうかを判断する目安とされている時期だ。アメリカの株式市場さえ安定化してくれれば、東京五輪なんてどうでもいいけどね…