強制決済機能が働くcFDでは、 一時的な損失に対する許容範囲が限定されているため、損失拡大リスクが大きい「逆張り」投資は不向きです。 どんなに複雑なテクニカル分析を駆使しても、相場の先行きなんて、ハッキリいって1分先のことですら、「ゼッタイこうだー」とはいえません。上がりはじめや下がりはじめを確認してから、トレンドの波に乗るほうが、効率よく利益を確保することができるのです。
「逆張り」は原則禁止とお伝えしましたが、例外もあります。 ただし、これはちょっと上級者向けの投資手法なので、初心者の人は順張りが通用するパターンのときだけ、相場に参加するようにしてください。
相場の波に乗る「順張り」は、相場にトレンドが出ていることが前提です。でも、相場はいつも上昇・下落、どちらかの方向を向いているわけではありません。当然、上にも下にも向かっていない 「横ばい」状態のときもあるわけです。こういうとき、基本的には相場に参加しないのが賢明ですが、投資経験の長い方やほぽ専業に近いトレーダーの方のなかには、「なにもしないで見ているなんてもったいないー」と思う方も少なくないでしょう。 そこで、使えるのが「逆張り」投資です。
米国市場はオープンしてすぐの1時間と、終わる間際の1時間に大きく値が動く特徴があります。 それ以外の時間は、もみ合って横ばいになることが多いのです。つまり、「市場が開いている時間のほとんどはもみ合い」と考えることができます。ですから、売買回数を増やして積極的に利益をねらいたい中上級クラスのトレーダーの方は、「逆張り」 の投資手法もマスターしておくといいでしよう。
逆張りをするときは、まず時間帯を確認します。寄り付き直後と大引け間際は、 一方向に動きやすいので逆張りは控えてください。次に、相場に大きな影響を与える経済指標の発表がないかを確認します。「ここは当然下げるでしょう」という場面でも、影響力のある指標発表があると、相場はその方向に向かいやすくなります。私も指標発表があるのをうっかり忘れて、痛い思いをした経験が何度もあるので、みなさんも注意してください。 さらに日足チャートの動きを見て、もみ合った後、大きな動きに発展する可能性があるかどうかを判断します。もみ合っているときというのは、相場に大きなエネルギーが溜まっている状態でもあります。スイングトレードのところで説明した「三角もち合い」もその1つで、 上値か下値のラインを抜けたときに大きな動きになることがあるので要注意です。
以上の点を確認したら、逆張りトレードのスタートです。もみ合っているときは、上値抵抗線と下値支持線の間を行ったり来たりするので、そこをねらっていきます。繰り返しますが、上値抵抗線と下値支持線を抜けたときは、大きな動きに発展するリスクがあるので、それに備えて必ず逆指値注文を同時に入れておくことがポイントです。
逆指値注文とは、ポジションに対して「株価が〇〇円まで上がったら(または下がったら)、〇〇円で買い(または売り)」と、通常の指値とは逆の注文を入れることをいいます。注文と同時に逆指値注文を入れておくことで、万が一、予想とは逆の方向に株価が動いたときに、自動的に損切りをすることができるのです。損失がかさむとマイナスを確定したくないために、どうしても判断が鈍りがちです。 しかし、感情を挟む余地がない逆指値注文なら、損失を最小限におさえることができるのです。